テスト読みとは、台本を書き上げた後、実際に台本を読んでもらうことです。
知っていた方も多いかもしれませんが、
- テスト読みを依頼したことがない
- 依頼されてもやり方がわからない
という方もいると思います。
そこで、この記事ではテスト読み経験がある台本師さんと演者さんに『テスト読みで大切なこと』について書いてもらっています。
台本師さんはもちろん、演者さんにとっても参考になる情報ですので、ぜひ最後まで読んでいただければと思います。
はじめに
まずはじめにお伝えしたいのが、このページで書いていることは強制ではないということです。
なので、
- テスト読みをしないから台本として使えない
- テスト読みを受けないと演者失格
などは一切ありません!
はじめてテスト読みを知った方は今後の参考にしていただければと思いますし、すでに知っていた方には「こんな方法で私はやってるよ」なんて意見もいただけたら嬉しいです。
というわけで、さっそくテスト読みについて紹介します。
台本師さんに大切なこと
記事を書いてくれる人
テスト読みをするメリット
完成した台本はスグにでも公開したいところですが、テスト読みをしておくと良いことがたくさんあります。
そんな、テスト読みのメリットについて紹介します。
誤字や文章の間違いを探せる
注意していても第三者の目で見てもらうと、意外と見落としている箇所があります。
テスト読みをしてもらうことで、誤字や文章間違いを台本を公開する前に修正することができます。
演者が読みづらい箇所を修正できる
実際に発声してもらうと
- 読みづらい
- 読み間違えやすい
などの箇所が発見できます。
正しく読めるように表現を変えたり、ふりがなを振るなどして、作品の意味がしっかり伝わる台本にできます。
違和感のある言い回しを修正できる
テスト読みをしてもらって
- 聞いていて耳障りの悪い箇所
- 回りくどい言い方
などがあれば教えてもらいましょう。
大切なのは “聞いてくれる方がどう感じるか” ですので、自分では気づけなかったところに気付くことができます。
文章を見ていなくても、耳だけで伝わる台本にします。
時間計測ができる
読んでもらうことで所要時間の把握ができます。
ボイドラサーチなどの台本サイトに掲載をする場合は所要時間を書く必要がありますので、その時の参考になります。
依頼する時の注意点
テスト読みを依頼する時には注意が必要です。
読んでいただく方にも負担をかけなくて済みますし、しっかり台本に意見をもらうためにも重要なことなので、ぜひ頭に入れておいてください。
何を知りたいか具体的に伝える
- 所要時間
- 誤字・脱字
- 現代では使わない言い回しの誤り
など、知りたい情報をしっかり演者に伝えておきましょう。
ある程度実力のある人に頼む
つっかえずに読める、間を取れる人に頼まないと正確な時間計測ができません。
所要時間はあくまで目安ですが、スムーズに読んで頂けないと文章の違和感に気付きづらくなります。
自分の意見が言える人に頼む
依頼の回答結果が「良かった」だけで終わっては、テスト読みの意味がありません。
しっかり自分の意見を指摘できる演者さんに頼むことも重要です。
演者さんの募集方法
「さっそくテスト読みを依頼したい」と思っても、どう依頼したらいいのかわからないと思います。
そこでいくつかテスト読みを依頼する方法を紹介しますので、参考にしてみてください。
知り合いの演者にお願いする
知り合いに演者が複数人いる場合は、その演者にお願いすることが多いです。
演者さんのクセなどもわかっていることも多いと思いますし、依頼しやすいところもポイントです。
TwitterなどSNSで募集する
知り合いに演者がいない場合、SNSなどでテスト読みをしてくれる演者を募集しましょう。
たくさんの人の目に留まるのがSNSのいいところですが、自分のことを知らない人も多いです。
なので、『何を知りたいか具体的に伝える』でも書いたように、募集内容を明確にすることが大切です。
演者さんに大切なこと
記事を書いてくれる人
テスト読みの受け方
テスト読みを依頼されるということは、演者にとっては嬉しいことだと思います。
ただ、受けるからにはしっかりと台本師さんのためになるように回答してあげることが大切です。
そこで、テスト読みを受ける時に気をつけたいことを紹介します。
自分が読めないからと、文章を替えない
台本によっては、難しい言葉遣いや読みづらいものもあるかと思います。
たとえば、以下のようなものです。
読みづらい | 読みやすい |
---|---|
なので | なんで |
なのだから | なんだから |
これを “自分が読みづらいから” と、台本師さんに換えるように伝えるのは間違いです。
テスト読みの際には、自分の好みやスキル不足による考えは捨てましょう。
ポイント
難しい言葉遣いにしてあるのは理由があるはずで
- 性格
- 育った環境
など、キャラクターを構成するうえで重要な部分だと思います。
なので、読み方を換えてしまうことは、キャラクターをも変えてしまうことになります。
台本師さんが一生懸命考えて作った台本なので、言葉遣いの一つ一つを大切にしましょう。
同じ読み方で意味が変わるなら伝える
セリフや演技で内容はほとんど伝わりますが、なかには伝わりづらい言葉もあります。
たとえば、以下のようなものです。
発音が同じ | |
---|---|
声劇は声だけで演技をするものなので、音声だけ聞いてる人は意味がわからない場合もあります。
こういう場合は台本師さんに伝えてあげると親切でしょう。
読みを受けるうえで大切なポイント
最後に、テスト読みを受けるうえで大切なのは、自分の考えだけを押し付けないことです。
指摘だけを伝えるのではなく、台本師さんと指摘部分について話し合ったり、意見交換をしていくことが重要です。
より良い台本になるのはもちろん、演者側も台本の読解力向上が期待できます。
テスト読みを受ける際は、ぜひ紹介した点を意識してやってみてください。
まとめ
今回はちえさんと麻倉さんに協力していただき、台本師側と演者側からの意見をいただきました。
もちろん人それぞれで方法が違ってくると思いますし、いろんな意見があると思います。
でもそんなところが、声劇の面白さにつながっているのではないでしょうか。
これを読んでくださった方が、声劇について考えるキッカケになれたら幸いです。
ぜひ、他の方のご意見・ご感想もお待ちしてます!
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