nanaには歌ってみたの他に『声劇(せいげき・こえげき)』という “声で劇を演じる” 楽しみ方があります。
声劇にはギャグやシリアスといった演技内容から、台詞・朗読・CM風といったジャンルの違いなど、多くの台本が存在します。
そんな声劇で数々の人気台本を生み出されてきた
90秒という短い時間にもかかわらず、世界観に引き込まれる魅力的な作品たちはどのようにして生まれたのか…
九重さんのことが詳しくわかるインタビューとなっていますので、ぜひご覧ください。
声劇台本を書き始めたのはいつ頃からですか?
nana台本の1作目となる『
nanaに初めて投稿した『華那ノ國』
専門学校などで台本製作の勉強をされていたのでしょうか?
いいえ、台本製作をしたのもnana台本が初めてです。なので、お恥ずかしながら文章を書く基礎となるものは全くありません!笑
nana以外での創作活動はされているのでしょうか?
趣味の範囲外ではほぼしてません。
普段はフリーランスで声のお仕事をしております。ごく稀に、ライター業務や簡単なイラスト製作はしますが、個人で創作物を頒布したのは昨年11月に開催された
nanaに声劇台本を投稿しようと思ったきっかけ、理由を教えてください。
話すと少し長くなってしまうのですが、元々台本を作る前は趣味の範囲で友人と創作キャラクターをデザインして遊んでました。
色々理由があってその方とは疎遠になってしまったのですが、「せっかく創ったキャラクターをこのまま死なせたくないな」と思い、じゃあ物語にしてやろう!と台本製作に至ったのが『華那ノ國』です。
声劇台本を書く際はどのように考えていらっしゃるのでしょうか?アイディアなど、参考にされているものがあれば教えてください。
自分でもあまりよく分かってないんですが、外に出てる時に沢山インスピレーションを受けます。目に付いたもので、面白い比喩表現を発見して、お話を考えてゆきます。
例えば夜中の街灯ってぼや~っとしてるじゃないですか。あれ、私はたんぽぽの綿毛に見えたりするんです。それだけで「真夜中のたんぽぽ」みたいなそれっぽいタイトルができますよね笑。
喫茶店に行くと、コーヒーミルがあるじゃないですか。「言葉の意味を咀嚼する」ってフレーズがぱっと浮かぶとして、台本にする時に言葉をゴリゴリ砕く咀嚼ミルみたいな表現がひとつ出来上がるんです。
そういうのの組み合わせで、そこにストーリーをつけていく…という感じです。
声劇台本を書く際に心がけていること、工夫したこと、苦労したことを教えてください。
私が書く台本は所謂CM風声劇といわれる短い90秒のもので、物語の1シーンがいくつかピックアップされており、完結に至るまでの演者側の想像の余地があればあるほど表現の幅も十人十色になると思います。
なので、「どこまで言及するか」という余白作りに度々苦悩しております。
本当に、起・承・転・結しか書かれていない意地悪な台本でもありますが、そこが私の工夫でもあります。
声劇台本を書く上で、普段から心がけていること、大事にしていることはありますか?
nanaは音のアプリなので勿論映像はありませんが、演技が苦手な人でもアフレコをしてるような感覚を楽しんでもらいたいな、と思い誰にでも分かるよう「音のきっかけ」を沢山作るようにしています。
また、それだけじゃ分かりにくいという方に、拙い読みではございますが、タイミング参考資料として私が読んだものも同時公開しております。
音きっかけが縛りになるのか、自由になるのかはそれぞれ違ってくるとは思いますが、ひとつのコンテンツとして演じる楽しさと、台詞がぴったりハマった時の爽快感みたいなのをまずは伝えたくて。
「演技が楽しい」という純粋に思う気持ち大事にしています。
台本作家になってよかったことはありますか?
作家というほど大それたものではございませんが、創作活動をしていなければ繋がらなかった数々の素敵なご縁を持てたこと、nanaを基盤として作品発表の場をお借りでき、色んな人に見て聴いてもらえたこと、そして自分に何が出来るのか、自身をフラットに見つめ直すことができました。
なんと、九重さんの『妖町の菓子売』が2018年5月19日に動画化されました!
特設サイト:http://evisan.work/ayakashi/
28,000再生を超える大人気台本『妖町の菓子売』。
5月19日(土)に公開された『妖町の菓子売』について教えてください。
動画化しようと思ったきっかけはなんだったのでしょうか?
昨年2017年の春に、動画師さんであるえびさん(@E_Vsan)にお声掛けを頂いたのがきっかけでした。
それまで台本を動画にする予定は少しもありませんでしたし、元々台本の動画化はコストも時間もかかります。何より技術力が足りないので私1人では無理だったんですよね…。
そんな中嬉しいお誘いを頂き、動画製作に至りました。
『妖町の菓子売』の動画製作にあたり、大変だったことはありますか?
いえ、私は特に動画製作にあたり何かに関わったわけではないので、あくまで原作者という立ち位置です。
『妖町の菓子売』原作から、詳細設定をお伝えし、総監督兼動画師のえびさんにほぼ全ての演出やデザインをお任せしました。
ですので、実は私自身動画公開まで内容を全く知らないんです笑
何もお手伝いが出来ず歯がゆい思いをしました。
『妖町の菓子売』のどんなところ観てほしいですか?力を入れた部分や見所を教えてください。
動画はまだ確認できていないのですが、動く菓子売さんやお嬢さんを視聴者さんと同じ気持ちで楽しみにしています。
また、動画化にあたり菓子売の声優は私ともう1人、ダブルキャストの同時公開となっておりますのでそちらも併せて楽しんで見て頂けると嬉しいです。
ダブルキャストの岩田仁徳さん(@nintoku_iwata)ver
最後に、インタビューを読んでくれた方にメッセージをお願いします。
すみません、こういうのがはじめてなもので、何を書けば良いか迷ってしまうのですが…。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
読み手の方も書き手の方も、お互いが気持ち良く作品をリスペクトし合えたら素敵だと思います。楽しかった、嬉しかったことに拍手の数や再生回数、ランキングは関係ありません。
これからも台本に限らず歌でも演技でも互いに楽しかった!と思える投稿ができると良いですよね。
プロフィール
名前 | 九重 なゆ nana:users/1631766/ Twitter:@NYT_nana | 誕生日 | 4月10日 |
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出身地 | 京都 |
職業 | フリーランス(声優) |
マイブーム | フクロウカフェに行くこと |
好きな食べ物 | たこ焼きとリプトンミルクティー |
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